「ウェブ人間論」読了

内容(「BOOK」データベースより):日本におけるインターネット元年から十年。今、ウェブ2・0という新たな局面を迎え、本当の大変化が始まろうとしている。「ウェブ進化」によって、世の中はどう変わりつつあるのか、そして人間そのものはどう変容していくのか―。ビジネスとテクノロジーの世界に住む梅田望夫と、文学の世界に生きる平野啓一郎が、その変化の本質と未来を徹底的に話し合った、熱く刺激的なウェブ論。

対談だけあって読みやすく、読み始めたらあっという間に読み終えた。三浦半島から都心への出張の電車の中、ほぼ都内の自宅への帰宅の際の数時間の電車の中でほとんど読んでしまった。

梅田氏のよいオプティミズム的なネット世界の捉え方がここでも感じられる。
というか、ネットもリアルの一部となり、人はその環境を当たり前のものとして、生活していくようになる。1975年以降生まれの世代は既にそうなっている、それを理解し、よりよくなるように支援していきたい、というのが、彼の思想の根底にあるのだろう。
リアルの世界にダークサイドがあるように、ネットの世界にも当然ある。ダークサイドを取り上げ、「それだからネットは、、、」という否定的な考え方をせず、リアル世界がネットで強化され、進化したリアル世界になる。
はてな」の人たちが、「ダークサイドに堕ちたな」という言い方をする、というのも興味深い。
時間と空間を超え人と人がつながり、大量の情報が蓄積されそれが検索によって構造化されて提示される。技術(ICT)により、身体的・記憶的に強化されていく。
自分もリアルとネットの融合を目指す、という言い方をすることがあるが、その言い方は不正確で、ネットでリアルが強化されていく、その時にどのように強化されると、どう便利になり、どう人を進化させていく時代を想像し、創造していくのか、ということを考えていく、とうのがより正確なんだ、とあらためて確信がもてる。

ウェブ人間論 (新潮新書)

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